日々の便り

2020年12月22日

「雑煮」のおいしさは多種多様。一年のパワーをいただきます

「雑煮」は、年神様の魂が宿った餅を食べるための料理です。食べることで年神様からその年の生命力が与えられるとされていました。
雑煮という料理自体は、室町時代に武家社会の儀礼的な宴で、本膳料理の前菜として出されたのが始まりです。あわびや里芋、山芋、大豆など健康に良いもの7種を入れた煮物で、お酒を飲む前に食べて臓腑を保護・保養する意味があり、「保臓(ほうぞう)」と呼ばれ、「宝雑」「烹雑」と書くこともありました。江戸時代にお餅を入れて雑多なものを煮込む「雑煮」となり、各地にいろいろな雑煮が生まれました。

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雑煮は地方色豊かですが、家庭ごとに我が家の味があるのも特徴です。
大きく分けて関西風と関東風があり、関西風は白味噌仕立てで丸餅を焼かないで煮るスタイルです。丸餅なのは鏡餅を模しているからだといわれています。
関東風は醤油仕立てのすまし汁に角餅を焼いて入れるスタイル。江戸では醤油文化だったことや、武家社会では「味噌をつける」はしくじるという意味で縁起が悪いため、味噌は使いません。丸める手間がない角餅で、焼いて膨らみ丸くなると解釈するそうです。また、寒さの厳しい地方では、丸めた餅は乾燥してひび割れてしまうため、のして切り分け角餅にしたともいわれます。

そして、全国にすまし汁のお雑煮が多いのは、参勤交代で全国に江戸文化が伝わったためだといわれています。
雑煮に使われる具材は、ご当地色豊か。新潟ではいくら、宮城ではハゼの焼き干し、広島は牡蠣、香川はあん餅を入れます。岩手では雑煮の餅をくるみだれにつけて食べる地方もあります。皆さまの家はどんなお雑煮ですか?雑煮にはその家の文化があるので、「我が家の雑煮」を大切にしていきたいものですね。

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