日々の便り

2023年06月06日

田植えの季節「芒種」。習い事を始めるなら6月6日!?

6月6日は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」。「芒(のぎ)」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、芒のある穀物の種を蒔く時期という意味です。実際の稲作は、水田に種を蒔かずに苗代で育ててから植え替えるので、田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期でもあります。

そして、七十二候では「蟷螂生(かまきりしょうず)」になります。カマキリが生まれる頃という意味で、いよいよ夏の虫たちの出番です。
また、6月6日は「稽古始め」の日。昔から、芸事は6歳の6月6日から習い始めると上達するといわれ、これにちなみ「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」などにもなっています。

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「稽古始め」の日の由来の一つは、能楽の礎を築いた世阿弥(ぜあみ)が著した「風姿花伝(ふうしかでん)」の冒頭の一節にあります。「一、この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」とあり、「習い事を始めるには数え7歳(つまり満6歳の年)がもっとも良い」と説いています。型にはめず、まずはのびのびとやらせるのが良いと、子どもへの教え方にも言及しており、能に限らず、子どもの教育論としても大変興味深く、古さを感じさせません。
6月6日となったのは、江戸時代、歌舞伎の台詞として「6歳の6月6日の・・・」とゴロが良い言い回しが使われるようになり、それが定着したためといわれます。

子どもだけでなく、大人も思い立ったが始め時。「稽古」の「稽」は「考える」という意味で、「稽古」は「古(いにしえ)を考える」という意味があるそうです。大人になった今だからこそ、何かを習うときは、その習い事の由来や歴史も考え、伝統を大切にしながら身につけていきたいもの。何歳になっても新しいことにチャレンジする気持ちは持ち続けていたいですね。


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