日々の便り

2025年02月03日

「立春」から1年のスタート。「立春大吉」で厄よけのおまじない

2月3日は二十四節気の最初の節気「立春(りっしゅん)」です。立春から立夏の前日(2025年は5月4日)までが暦の上の春。とはいえまだまだ寒い日が続いており、春本番が待ち遠しいですね。
旧暦では立春近くに正月がめぐってきたので、春が新年の象徴で、立春は1年のスタートの時。寒い時期の正月に「迎春」「新春」などのことばが使われるのはそのためです。「八十八夜」「二百十日」などの雑節も、立春が起点になっています。

202502pixta_risshundaikichi_43946288_S.jpg

立春の早朝、禅寺では厄よけのために門に「立春大吉」と書いた紙を貼る習慣があります。この四文字は縦書きにすると左右対称になることから、裏から見ても同じ。もし鬼が入ってきても、まだ家の中に入っていないと勘違いして出て行ってしまうと言われ、一年間災難にあわないという縁起の良いおまじないになりました。厄よけとして「立春大吉」の紙札を貼る家もあります。

また、七十二候では「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」になります。「東風(こち)」とは春風を表すことばで、春の風が川や湖の氷をとかしはじめる頃という意味です。
ただ、やさしい風ばかりではありません。「春一番」は、立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強風で、気象庁では、風速8m以上の風が吹き、前日より気温が上がった時に春一番を発表しています。「春一番」は、もともとは漁師が使っていた風を表すことばの一つ。竜巻などの突風を伴うことも多いためで、警戒されていた風です。

さて、2月最初の午の日を「初午(はつうま)」といいます。この日に、京都・伏見稲荷大社の地に稲荷神が降りたとされ、やがて全国に「初午祭」が広まりました。2025年は2月6日が初午にあたります。稲荷の名は「稲生り」から来たともいわれ、伏見稲荷をはじめ大阪の玉造稲荷、愛知県の豊川稲荷など、各地の稲荷神社で盛大に祭がとり行われます。

稲荷神社といえばキツネがつきもの。キツネは、春になると山から下りてきて田んぼのネズミを食べ、秋には山に帰ることから「稲荷神の使い」とされました。稲荷神社のキツネの像をよく見ると、口になにか咥えています。米倉の鍵や鎌、玉など神社によって違いがあるそうですが、「稲荷神の使い」として見ると納得できるものばかりです。
そのキツネの大好物が油揚げ。そこで、初午の日には油揚げや油揚げにすし飯を詰めたものを奉納するようになり、これが稲荷寿司のはじまりだといわれています。詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしのまつり・遊び】初午


【季節のめぐりと暦】二十四節気/立春
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】初午

ページトップへ