日々の便り

2025年05月20日

草木が育つ「小満」。日本の原風景を思わせる「田毎の月」

5月20日は「小満(しょうまん)」。二十四節気のひとつで、陽気がよくなり、草木が成長して茂り、動物や植物にも活気があふれる頃。万物が満ちはじめ、秋にまいた麦に穂がつき、出来具合に少し満足して、ひと安心するという意味があります。

農家では田植えの準備がはじまる時期ですが、西日本では梅雨のように天候がぐずつく「走り梅雨」が見られます。沖縄では梅雨の時期を、次の二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」と合わせて「小満芒種(スーマンボースー)」と呼んでいます。

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また、田んぼに水を張るこの時期ならではの美しい風景もあります。
長野県千曲市の姨捨(おばすて)の棚田は、斜面に広がる小さな田んぼそれぞれに月が映り、その幻想的な光景は「田毎の月(たごとのつき)」といわれ、名勝となっています。平成11年には棚田百選に、平成22年には国の重要文化的景観に、令和2年には日本遺産に認定された、価値ある日本の農業の原風景です。

さて、七十二候では「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」に入ります。蚕の繭から絹をとるため、昔から人々の暮らしを支える重要な生き物として、蚕は大切に育てられてきました。その蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃。ひと月ほどで、白い糸を吐きながら繭を作りはじめます。
一昔前までは、女性たちがその働き手となり、日本全国で盛んに行われてきた養蚕ですが、今は蚕を見たことがないという人も多いでしょう。養蚕にまつわる風習やことばもご紹介しています。
【暮らしの知恵】暮らしのヒント/養蚕の豆知識

【季節のめぐりと暦】二十四節気
【季節のめぐりと暦】七十二候
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