日々の便り

2026年08月25日

七十二候「天地始粛」。「川床」の風情に残暑を忘れる

8月28日から七十二候の「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。
夏の勢いがしずまり、天地が粛然と静まりはじめる頃。「粛」は縮む・しずまるという意味があります。日中はまだ暑さが残るものの、朝夕の風や空の雲、虫の声に秋の気配がそっと混じりはじめます。

日本人の生活に根付く「夕涼み」。
季節の移ろいの中で、日本人は昔から夕暮れに涼を求める習慣を育んできました。暑さの名残を抱えた夕暮れに、家の前や縁側に打ち水をする、川辺に出て風を受ける―水の音や風の温度に自然の涼しさを見いだしてきたのです。人工的な涼ではなく、自然の力をそのまま受け取る暮らしの知恵です。

水がある場所は、昔から涼しく感じられる場所。
川風が気持ちよく吹く橋の上では「橋涼み」も行われてきました。また、屋形船などに乗って遊覧するのも納涼のひとつ。隅田川から東京湾をめぐる「納涼船」などは、川風、海風に吹かれて涼しさを感じながら東京の夜景を楽しむことができます。

京都では「川床」が夏の風物詩。
三方を山に囲まれた京都の夏は、風が抜けにくく、盆地特有の蒸し暑さが続きます。しかし、からだにまとわりつくような日中の暑さも、夕暮れになると川面を渡る風がふっと和らげてくれます。そんな自然の涼しさを求めて、川沿いに座敷を張り出して涼を楽しむのが「川床(かわどこ)」。古くから人々が育んできた"納涼の文化"です。
京都の鴨川・貴船・高雄などの川沿いに、夏の間だけ設けられます。場所によって雰囲気は大きく異なりますが、どこも「自然の涼をいただく」という夕涼みの心が息づいています。
川床の歴史や地域ごとの違いはこちらでまとめています。「涼の文化」をのぞいて、涼しさを感じてみませんか。
【暮らしの知恵】暮らしのヒント/川床

【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしの知恵】暮らしのヒント/川床
【暮らしの知恵】暮らしのヒント/夕涼み

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