「大阪天神祭」は、毎年7月24日25日に行われる大阪天満宮の祭りです。祭神の菅原道真の霊を慰めるために始まったといわれる祭りで、1000年以上の歴史があります。最大の見せ場は25日に行われる「船渡御(ふなとぎょ)」で、大川を約100隻の船が渡る壮観な祭りです。神田祭(東京都)、祇園祭(京都府)とともに「日本三大祭」に数えられています。
■天神祭の由来
天神祭は菅原道真の霊を鎮めるための祭りとして、平安時代から続く歴史ある祭りです。
天暦5年(951年)に、大阪天満宮の社頭の大川から神鉾を流し、流れ着いた場所に祭場を設け、禊ぎを行ったのが天神祭の起源といわれており、その時、船を仕立てて奉迎したのが船渡御の始まりだとされています。
安土桃山時代には、豊臣秀吉から催太鼓を拝領し、大阪が「天下の台所」と呼ばれた元禄時代、天神祭は浪速の繁栄のシンボルとして隆盛を極め、日本三大祭の一つと呼ばれました。
政変や戦争などで中断されたこともありましたが、昭和24年に船渡御が復活し、昭和28年から大川を遡航するという現在の形になりました。
■祭りの見どころ
24日は宵宮祭、鉾流神事(ほこながししんじ)、催太鼓、獅子舞、氏地巡行などが行われ、25日には本宮祭、神霊移御、陸渡御、船渡御、奉納花火、還御祭などが行われます。
見どころは25日。御神霊を御鳳輦(ごほうれん)という神輿に移す「神霊移御」の後、「陸渡御」が行われます。威勢の良い催太鼓(もよおしだいこ)を先頭にして、御鳳輦(ごほうれん)、地車(だんじり)が賑やかに囃し立てながら、王朝装束の約3,000人が鉾流し橋まで行列します。日が暮れると、水の都大坂にふさわしく、大川を舞台に約10,000人以上が参加する「船渡御」と呼ばれる行事で、祭りのクライマックスを迎えます。船上では踊りや神楽、能楽が奉納され、奉納花火が打ち上げられ、約100隻の大船団の篝火と花火が、幻想的な光景を繰り広げます。