日々の便り

2025年07月12日

七十二候「蓮始開」。地域によって違う「お盆」の時期

7月12日から七十二候の「蓮始開(はすはじめてひらく)」。蓮の花が咲きはじめる頃です。
優美で清らかな蓮は天上の花にたとえられ、お盆には欠かせません。7月15日にお盆をする家では、蓮の花や葉で盆棚を飾る家も多いことでしょう。仏教では、蓮は泥の中に生まれても汚れなく清らかに咲くことから「清浄無比の花(せいじょうむひのはな)」と尊ばれ、多くの仏典に「蓮華(れんげ)」の名で登場し、仏像の台座にもその形がよく使われています。

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蓮は、最も古い植物のひとつで、およそ1億4000万年前にすでに地球上に存在していたといわれています。蓮の生命力は驚異的で、2000年も前の蓮の実が昭和の時代になって発芽した自生地もあります。蓮の名所は各地にありますが、蓮の花は早朝咲きはじめ、昼になると閉じてしまいます。夏の朝、まだ少し空気がヒンヤリとするうちに静かに開きはじめる姿は一見の価値ありです。
都内では、上野恩賜公園の不忍池が屈指の蓮池です。広々とした水面が一面に蓮の葉に覆われ、大輪の蓮の花を咲かせます。都心なのでアクセスも良く、早朝に出かけてみるのも良いですね。

蓮とよく似た植物に睡蓮がありますが、見分けるポイントは葉。睡蓮の葉は切れ込みがあり、水面に広がりますが、蓮は切れ目がなく、水面より上に葉を広げます。葉を観察すると見分けがつきやすいですよ。

さて、東京など都市部では7月13日から16日はお盆になります。お盆は、先祖の霊を迎える日。昔、亡くなった人は7月の15日に帰ってくるとされていました。
新暦では8月の半ばにあたるため、季節感を大切にして8月13日から16日まで、お盆の行事を行うところがほとんどですが、地方によって違いがあり、東京や函館などでは7月に、沖縄などでは旧暦の7月15日に行われています。
お墓参りをしたり、仏壇に盆飾りをしたり、また、盆踊りが開催されたりと私たちの身近な行事であるお盆。その由来や風習についてご紹介しています。
【暮らしを彩る年中行事】お盆


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