日々の便り

2016年08月30日

災害への警戒を促す「二百十日」と「風の盆」

今年は8月31日が「二百十日」にあたります。この時期は昔から台風などが多く発生するので、昔の人は立春から数えて210日目を「二百十日」、220日目を「二百二十日」といって警戒してきました。
「二百十日」「二百二十日」はともに雑節です。雑節とは、日本人の生活文化から生まれた日本独自のもので、主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっています。

秋の収穫を目前にして農作物に被害を与える台風の襲来は農家にとっては大打撃。また、嵐の海は漁師にとっても生死にもかかわる大問題です。油断のならないこの日を、過去の経験から厄日として戒めるようになりました。
「二百十日」「二百二十日」、さらに旧暦8月1日の「八朔」(新暦では今年は9月1日)も含めて農家の三大厄日といわれてきました。

また、収穫を間近に控えた農作物が被害にあわないよう、風を鎮めるための祈りを込めた祭りが各地で行われます。なかでも、明日から3日間行われる富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」は、300年の伝統をもつといわれる代表的な風鎮めの祭りです。

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坂の町・八尾の古い街並みにぼんぼりの灯がともり、哀愁をおびた胡弓の音色が響いて、「越中おわら節」にのせて編み笠をかぶった男女が踊り歩く姿は幻想的。独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。
北陸新幹線が開通し、東京から富山まで乗り換えなしの2時間10分で行けるようになり、一度は訪ねてみたい祭りの一つです。

【季節の行事】おわら風の盆
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_aki/2018-083010.html
【季節のめぐりと暦】雑節/二百十日と二百二十日
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/nihyakunichi/
【季節の行事】八朔
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/2015-082710.html

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