5月10日から七十二候では「蚯蚓出(みみずいずる)」。みみずが、地上に出てくる頃という意味です。虫たちが活動し始めるという「啓蟄」は3月初めの頃ですから、みみずは、他の虫たちよりも動き始めるのが遅めのようですね。
みみずは土作りの大切な役割を担っています。みみずは大量の土や有機物を食べますが、土中のミネラルはみみずに食べられることで作物に吸収されやすくなるそうです。また、みみずが通ることによって土中の通気性が良くなり、糞は良質の団粒になります。みみずの死骸さえも速効性肥料となるそうです。フカフカの土作りにはみみずが一役買ってくれているのですね。
また、岐阜県長良川では5月11日から鵜飼が始まります。夜の闇を赤々と照らすかがり火の下、鵜匠が丹精込めて育てた何羽もの鵜を手綱で華麗に操り、次々と魚を捕る、何とも風雅な伝統的な漁法です。長良川で行われる鵜飼は1300年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財にもなっています。
さて、もうすぐ5月の第2日曜日で、「母の日」。日本の母の日はアメリカの母の日が伝わったもので、カーネーションが母の日のシンボルになりました。赤いカーネーションの花言葉は「母の愛情」。5月の誕生花でもあります。
日本では、「母の日」が普及した当初のカーネーションは造花でした。戦後「全国未亡人団体協議会」などが中心となって販売し、母の存命する子は赤いカーネーションを、母を亡くした子は白いカーネーションを胸につけたりしましたが、母がいるかいないかで色分けをすることで、子ども心を傷つける心配や、義母に育てられている子どもの迷いなどに配慮して、1960年からは同協議会でも赤一色に統一されました。
現在は生花が中心で、色も赤ばかりではなく、ピンクやオレンジなどカラフルな色合いも楽しまれています。
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】夏/母の日と父の日
2024年05月10日