日々の便り

2025年05月01日

雑節「八十八夜」。新茶のおいしい淹れ方は?

5月の和風月名は「皐月(さつき)」。田植えがはじまる頃なので、早苗を植える月「早苗月(さなえづき)」が略され、「さつき」になったといわれます。皐月や早苗の「さ」には稲や田んぼという意味があります。

2025年は5月1日が「八十八夜」。八十八夜は、立春から数えて88日目にあたる雑節の一つです。「八十八夜の別れ霜」とは、この時期の遅霜を警戒した言葉ですが、八十八夜が過ぎれば、気候も安定することから、農家ではこの頃から本格的に農作業にとりかかりました。

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八十八夜といえば茶摘み。新茶が出まわる頃ですね。
お茶の葉は、摘んでも再び新しい芽が出るので、1年に数回の茶摘みが行われます。南北に細長い日本列島では、茶摘みに適した時期は若干違いますが、「新茶」「一番茶」と呼ばれるのは、おおむね4月中旬~5月中旬の八十八夜の頃に摘まれたもの。
「二番茶」は6月中旬~7月中旬頃、「三番茶」は7月上旬~8月上旬頃、9月以降に摘まれたものは「四番茶」「秋冬番茶」と呼ばれますが、地域や茶の種類によって、茶摘みが行われる回数は違います。

新茶は、二番茶・三番茶・四番茶に比べて、カテキンやカフェインが少ないため苦みや渋みが弱く、旨みや甘みの成分であるテアニンが多く含まれています。テアニンには、脳をリラックスさせたり、集中力を高めたりする効能があるそう。つまり、新茶は、ふつうのお茶より香りと味が良いばかりでなく、成分的にも優れているのです。

昔から八十八夜に摘まれた新茶を飲むと長生きするといわれています。健康に良いお茶の成分や、おいしいお茶の淹れ方についてご紹介しています。
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