日々の便り

2021年06月10日

雑節「入梅」。新しい「平年値」が示す日本の気象の特徴は?

6月11日は「入梅」。農作業や暮らしの大切な目安とされてきた雑節のひとつです。昔は、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日、立春から135日目などとされていましたが、現在は太陽の黄経が80度に達した日とされています。実際の梅雨入りは各地で違い、目安とされるのは気象庁の発表する「梅雨入り宣言」です。

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「梅雨」の語源は、梅の実が熟す頃に降る雨だからという説が有名ですが、他にも素敵な呼び名があります。「卯の花腐し(うのはなくたし)」「黴雨(ばいう)」「五月雨(さみだれ)」などは、梅雨の異称。「五月雨」の「さ」は田の神様で「みだれ」には水垂れという意味もあり、旧暦5月の長雨のことを指します。

また、七十二候では「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」になります。草の中から蛍が舞い、光りを放ち始める頃。昔は腐った草が蛍になると考えられていたそうです。

さて、2021年5月19日から気象や天候の新平年値が使用されています。「平年値」は10年ごとに更新されており、今回は1991年~2020年までの観測値をもとに作成されています。
平年値の種類には気温、降水量、日照時間、積雪の深さ、風向、風速、湿度、気圧などがあります。他にも桜の開花やイチョウの黄葉などの生物季節観測や、梅雨入り・梅雨明けの時期、台風の発生数・接近数・上陸数などがあり、私たちの暮らしに密接に関わっています。

新平年値では、年平均気温が全国的に0.1~0.5℃程度高くなり、降水量は季節によって多くの地点で10%程度多くなります。近年の猛暑、大雨を振り返れば肯ける数字ですね。桜の開花も1~2日早くなります。
気になる梅雨入り・梅雨明けですが、平年値に大きな変化はないそうです。


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