日々の便り

2024年03月30日

「春雷」は「虫出しの雷」。すくすく伸びる土筆(つくし)

3月31日から、七十二候では「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」に入ります。冬の間は鳴りを潜めていた雷が、遠くの空でゴロゴロと鳴り始め、春の訪れを告げる頃です。「春雷(しゅんらい)」は「虫出しの雷」とも呼ばれ、冬の間隠れていた虫たちも活動し始めます。

ところで、雷が鳴るとよく「くわばらくわばら」といいますが、なぜでしょうか?
由来には諸説ありますが、有名なのは、菅原道真が九州の大宰府に左遷されてから落雷被害が増えたので、これは道真のたたりであると考え、落雷を避けるために、道真の領地で落雷のなかった桑原の名を唱えるようになったという説です。菅原道真はのちに天神様・学問の神様と崇められるようになりました。

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桜や木蓮など、人目を惹く美しい花々が咲き誇る中、雑草といわれる草花も春を感じさせてくれます。暖かい日差しが注ぐ土手や野原、あぜ道などで、春を待ち焦がれていたように、土筆(つくし)が顔を出し、空に向かってすくすくと伸びています。土筆には花も葉もなく、細い筆のような不思議な形です。土筆は、いったいどんな植物なのでしょうか。

土筆はスギナの胞子茎で、その語源には、スギナに付いて出てくるので「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えるので「継く子」、地面から突き出ることに由来するなどの説があり、その見た目から「土筆」の字が当てられたといわれています。炒め物やつくだ煮などにして食べることもできるので、土筆採りも春の風物詩です。
詳しくはこちらをご覧くださいね。
【暮らしのまつり・遊び】春/土筆


【季節のめぐりと暦】七十二候
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