日々の便り

2025年06月05日

田植えの季節「芒種」。習い事をはじめるなら6月6日から?

6月5日は二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」。「芒(のぎ)」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、芒のある穀物の種をまく時期という意味です。実際の稲作は、水田に種をまかず苗代で育ててから植え替えるので、田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期でもあります。

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そして、七十二候では「蟷螂生(かまきりしょうず)」になります。カマキリが生まれる頃という意味で、いよいよ夏の虫たちの出番です。
産卵期の秋ごろ、雌が出した泡状の物質の中に産み付けられたたくさんの卵は、硬化した泡のカプセル(卵鞘:らんしょう)の中で冬を越します。そしてこの時期、孵化したカマキリの赤ちゃんがカプセルの中からわらわらと出てきます。
小さいながらも成虫と同じ姿の赤ちゃんは、ひと夏のうちに多くの脱皮を繰り返して成虫になります。捕食用の大きなカマを持ち、食欲旺盛なカマキリは、畑の害虫を食べてくれる貴重な益虫でもあります。

さて、6月6日は「稽古始め」の日です。昔から、芸事は6歳の6月6日から習いはじめると上達するといわれ、これにちなみ「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」などにもなっています。
「稽古始め」の日の由来の一つは、能楽の礎を築いた世阿弥(ぜあみ)が著した「風姿花伝(ふうしかでん)」の冒頭の一節にあります。「一、この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」とあり、「習い事をはじめるには数え7歳(つまり満6歳の年)がもっとも良い」と説いています。型にはめず、まずはのびのびとやらせるのが良いと、子どもへの教え方にも言及しており、能に限らず、子どもの教育論としても大変興味深く、古さを感じさせません。

【季節のめぐりと暦】二十四節気
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】夏/稽古始め

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