日々の便り

2025年09月01日

幻想的な風鎮めの祭り「おわら風の盆」。今日は防災の日

9月の和風月名は「長月(ながつき)」。旧暦の9月は、新暦の10月から11月の上旬にあたり、夜がだんだんと長くなる「夜長月(よながづき)」が略されて「長月」となったといわれています。また、秋雨が多く降る時季なので「長雨月(ながめづき)」、稲穂が伸びて実るので「穂長月(ほながづき)」が略されたとする説や、「稲熟月(いなあがりづき)」がなまったという説もあります。

また、9月1日は「防災の日」です。1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなみ1960年(昭和35年)に「防災の日」が制定されました。非常持ち出し袋の点検や、家族との連絡方法、避難所、避難経路、家族との待ち合わせ場所など、万が一に備えてぜひ確認しておきましょう。

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さて、この時期、収穫を間近に控えた大切な農作物が風水害などにあわないよう、各地で風を鎮めるための祈りを込めた祭りが行われます。なかでも、9月1日から3日まで行われる富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」は、300年の伝統をもつといわれる代表的な風鎮めの祭りです。坂の町・八尾の古い街並みにぼんぼりの灯がともり、哀愁をおびた胡弓の音色が響いて、「越中おわら節」にのせて編み笠をかぶった男女が踊り歩く姿は幻想的。独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。

そして、9月2日から七十二候では「禾乃登(こくものすなわちみのる)」に入ります。「禾(のぎ/のげ)」は稲穂が実ったところを表す象形文字で、稲などの穂先に生えている毛のことを指し、そこから穀物の総称となりました。いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃です。
この夏は、酷暑によって田んぼが干上がったり、ゲリラ豪雨や線状降水帯による大雨で被害にあったりした農地も多いと思われます。実りの秋を目前に、これ以上、災害に見舞われず、無事収穫できることを心より願っています。

【季節のめぐりと暦】和風月名
【季節のめぐりと暦】雑節
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】秋/おわら風の盆

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